プチ・トリアノン
ここはかのマリーアントワネットが造営した離宮です。贅沢好きで知られる彼女ですが、そもそもはオーストリア育ちの彼女がフランスになじめなかった、という所も大きく影響しています。派手で何かと陰口も絶えず居心地の悪かったヴェルサイユから逃げる意味もあったようです。
これがその部屋です。金メッキのものはほとんど見かけず、大体がブルー系の色でまとめられた、落ちついた内装になっています。ページ上の写真でその落ちついた色合いがお見せできないのが残念です。
一歩外に出ればまるで森の中にいるような庭が広がっています。この日は非常に天気も良く、まともに目を開けられないほど青空がまぶしい１日でした。
中は歩けば歩くほど奥があり、これの一体どこが「petit（＝小）」なのか？という位ですが、適当な起伏の途中にこのような東屋があります。こういう所で休んで他愛もない話に花を咲かせるしか楽しみがなかったマリー・アントワネットも可哀想な人生かも知れません。たとえ自分一人の楽しみの為だけにこれだけの離宮を作ることが出来たとしても。
マンガ「ベルサイユのバラ」に出てくるプチ・トリアノンの場面でこの水車小屋が出ていました。思わず「あの水車小屋だ！」と思いました。ちゃんと見てから描いているんですね。
プチ・トリアノンのコンセプトは「農民の暮らしを真似た庭園造り」で、これが王妃の贅沢を支える為の重税にあえぐ農民達の怒りを買ったのでした。先の水車小屋もそうならば、このようにウシまで飼っているところが本格的な「農民風」です。ウシ以外にもニワトリ、アヒル、ヤギなどもいました。